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Dire Straits/Rock Werchter/1981年7月5日ブリュッセル公演 

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新レーベル、Eat A Peach(以下EAP)より初のダイアー・ストレイツのブートが登場。
前身レーベルであるGodfather Recordsから数えて二つ目。90年代から流通していた定番音源ですが、ようやくアップグレード盤が出たか、という感じ。

1980~1981年にかけて行われたOn Locationツアー最終公演前日、ベルギーはブリュッセルで開催されたウェルヒター・フェスティバルに出演した際の音源。
Skateaway、Angel Of Mercyの唯一のサウンドボード音源を収録し、初期のストレイツが公式ライブ盤「アルケミー」で聴ける演奏に向けてどのように進化していったかを知ることができる定番音源。

90年代にThe Swingin' Pigレーベル(以下TSP)より発売されたOnce Upon A Timeというタイトルで知られていることが多いかもしれません。
今回のアップグレードの重要点は2つ。
それはサウンドボード音源より新たに以下3曲を収録したことと、当日のセットリスト順に曲順が並べかえられたこと。

・Expresso Love
・Romeo And Juliet
・Sultans Of Swing

Expresso Love、Romeo And Julietを既存の曲と同じ、音質最高のボード音源より初収録。
そしてこれを待ってました!遂にこの日の「悲しきサルタン(Sultans Of Swing)」を初収録。しかしビデオソースからの収録のため、若干他の曲より音質は劣ります。ヒスノイズが少し大きく、ステレオのセパレーションがボード音源と比べて中央寄り。

これだけで長らくの間暫定首位に君臨していたTSP盤を蹴落とす内容であることは間違いないのですが、それに加えてTSP盤ではメチャクチャだった曲順がEAP盤では当日の演奏順に並べかえられているので更にポイントは高いですね。

不満を述べるとすれば、今回追加された曲を持ってしてもコンサート完全収録ではないのが残念(アンコールなどが未収録)。おまけにEAP盤でも既出の音源部分に関してはTSP盤を元にしているためか、曲順を並び替えたとはいえ、1曲から次の曲への移行ポイントなどが足りないまま。歓声を被せることで誤魔化しています。まあしょうがないですよね。音源ぶった切りなんだもの。



【ブートレグ・音源】(参照:On Every Bootleg)


最初にサウンドボード音源を発掘したTSPの功績は認めつつも、めった切りにして並び替えを行い、あまつさえバンドの代名詞「悲しきサルタン」は未収録。レーベルが入手した時点で音源が不完全な状態だったとしたら非難してもしょうがないのですが、もし完璧なサウンドボード音源の全長版を入手しておきながらこの編集を行ったのだとしたら、ファンからしてみればリンチものですね(そんなファンは日本にいなそうですが泣)。現在までサウンドボード音源の全長版は見つかっていません。


CIMG5010.jpg
・The Swingin' Pig盤

収録曲

Once Upon A Time In The West
Skateaway
News
Private Investigations
Angel Of Mercy
Tunnel Of Love
Down To The Waterline



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元はLP。CD盤もよく聴くと僅かに針音が。

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・On Stage盤:
収録曲はTSP盤と同じで、曲順だけ入れ替えたもの。

Dire Straits Before We Became Famous FrontDire Straits Before We Became Famous Back
・X盤:
TSP盤の収録曲に加え、79年2月17日(ドイツの音楽番組Rockpalastで放送されたことで有名なケルンでのスタジオライブの翌日。ラジオで放送された模様)のケルン公演からSultansとWild West Endを収録。



この日の公演を収録したブートレグは90年代、ダイアー・ストレイツのブートが量産されていた時代にTSP盤とそのコピー群(どれがオリジナルなのかという議論は置いておいて)の流通によってファンの間では良く知られており、不完全収録ながら定番音源として扱われていました。
その後ダイアー・ストレイツの解散と共にプレス盤の新作発売もパタっと止み、以降新音源が出ても熱心なファンの間でのみトレードされる状態が続きます。実はそこでは編集された数曲のみの映像(テレビ放送用?)と、当日のオーディエンス録音が発掘されており、サウンドボード音源とオーディエンス音源を編集して繋ぎ合わせたコンサート完全収録バージョンも存在します。


・映像(プロショット:4曲のみ)



映像は曲順が入れ替えられる形で編集されており、収録曲はTunnel Of Love、Expresso Love、News(曲後半、後にPrivate Investigationsに引き継がれるパートのみ)、Sultans of Swingの4曲のみ。Sultans終了後、エンディングのクレジットロールと共にPortobello Belleのイントロが流れますが、残念ながら途中で映像は終了。しかしこの部分のおかげでオーディエンス録音の同曲と照らし合わせて、それがウェルヒター公演のものだと確証が取れました。

照明が暗く、メンバー以外のステージの様子は良く見えませんが、バンドはとても楽しそう。ノップラーがExpresso Loveを開始するとピック・ウィザーズがステージ前方に飛び出てきて踊り始め、それを見たノップラーが思わず吹き出して演奏をやり直すという珍しいハプニング。ノップラーも「悲しきサルタン」の最後にステージ前方のカメラまで歩み寄って手を振ったり、ギターソロ中にピョンピョン跳ねたりしてます。笑


・Perfect Werchter Festival(ファン作成)

当日のオーディエンス録音をサウンドボード音源の欠落部を補う形でコンサートの完全再現を目指した音源。Portobello Belle、Where Do You Think You're Going?、Solid Rockの3曲はこの音源でのみ聴けます。
オーディエンス録音の音質はあまり良くなく、サウンドボード音源との音質差が痛いし、それに加え音源間を繋げる編集も雑ですが、最も完全な形でウェルヒター・フェスのライブを聴けるので貴重。


Once Upon A Time In The West
Expresso Love
Down To The Waterline
Skateaway
Roemo And Juliet
News
Private Investigations
Sultans Of Swing
Portobello Belle(AUD)
Angel Of Mercy
Tunnel Of Love
Where Do You Think You're Going?(AUD)
Solid Rock(AUD)








・Eat A Peach盤(Rock Werchter)

Once Upon A Time In The West
Expresso Love
Down To The Waterline
Skateaway
Roemo And Juliet
News
Private Investigations
Sultans Of Swing
Angel Of Mercy
Tunnel Of Love


そして今回取り上げたEat A Peach盤。Eat A Peachは今年活動を始めたばかりの新レーベルで、イタリアのGodfather Recordsの後継レーベルらしい。となるとGodfatherが活動終盤に発売したSinging Oldies And Goldies(1985年8月6日クリーブランド公演をアンコールまでボード音源にて初収録)に続くダイアー・ストレイツのブートということに。デザインの良さは前身レーベルを踏襲(むしろ磨きがかかっている?)しています。

音質はサウンドボードなので、基本的にTSP盤と同等。曲順を並び替えると共に、より自然なライブ感を出そうとしているのか、編集によって失われた曲の合間に歓声を被せる編集を施しています。その結果、音源間が重なる曲の冒頭や末尾が少し短くされていることも。例えばOnce Upon A Time In The West冒頭は歓声を挿入し、そこから曲に上手く繋げたフェイドインで始まるため、TSP盤で初めに聴こえたノップラーの掛け声「オオゥ」が聞こえません。
また、一番残念だったのは今回目玉の「悲しきサルタン」のサビ"With the sultans of swing"で一瞬ノイズが走ること。そんなに耳に不快というほどでもないですが。これは流石に減点。




しかしデザイン面で言うと、On Locationツアーの日程が記載されたブックレットに、ジャケの写真は当時の(当日の?)写真を使っていて雰囲気抜群。ハル・リンデスの単体ショットとか珍しい。センスは最高です。TSP盤もジャケのノップラーの表情が秀逸でしたが、総合的にはEAP盤に軍配が上がるでしょう。


CIMG5286.jpg
ブックレット表
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ブックレット裏。On Locationツアーの欧州レグの日程表が記載されてます。
CIMG5287.jpg
CDスリーブ表
CIMG5293.jpg
CDスリーブ裏
CIMG5289.jpg
ディスク。Eat A Peachは作品ごとに盤面もアーティストに合わせたものになってます。
CIMG5285.jpg
紙ジャケ裏



【演奏】

On Locationツアーの最終公演前日。歴史あるロック・フェスの1つ、Rock Werchter。79年に続いて2回目の出演。

キャリア初期は特に欧州での人気が高かったストレイツ。
前年より始まったツアー初期、ドイツの音楽番組Rockpop出演の頃より、演奏が発展していっている様子が見て取れます。ファーストからセカンドアルバムまで踏襲されたパブ・ロックテイストからの方向転換を計り、よりロック色を強めたサウンドを志向していったノップラー。この頃の演奏は、初期のサウンドからライブアルバム「アルケミー」で聴ける演奏への重要な転換期だと思います。。
サード・アルバム「メイキング・ムーヴィーズ」のレコーディング中、脱退した弟デヴィッド・ノップラーに替わってリズムギターにハル・リンデスを迎え、キーボードにノップラーと地元(ニューカッスル・アポン・タイン)が一緒のアラン・クラークを加え誕生した新生ストレイツ。翌82~83年のLove Over Goldツアーではテリー・ウィリアムズにドラマーが替わりますが、この頃はまだ結成時からのメンバー、ピック・ウィザーズがドラムを担当しています。


Once Upon A Time In The Westは79年頃と比べると倍、80年と比べると1分程度演奏が長くなっています。アラン・クラークのキーボードが入ったことによってスタジオ版より多彩な展開が可能になり、10分を超える大作に進化しました。かなり「アルケミー」で聞かれるバージョンに近くなってきています。

2曲目には早速「メイキング・ムーヴィーズ」から、Expresso Loveが登場。序盤からロック色の強いナンバーを持ってきています。エンディングはTunnel Of Loveに繋がっていく展開と同じ。そこからファーストアルバムからの曲、Down To The Waterlineに。初期の曲にはアラン・クラークが中心となってキーボードを加えたアレンジが施されています。ただ、この曲についてはあまり変わった印象を受けないのが正直なところ。同曲が演奏されるのはこのツアーが最後になります。

次は「メイキング・ムーヴィーズ」より、80年発表のシングルSkateaway。この曲のボード音源はこれしか発見されていないので貴重。スタジオ版と比べてより力強い歌唱。

続けてサードアルバムよりRomeo And Juliet。この時点では「アルケミー」で聞けるイントロのキーボードアレンジが不在。後半のソロはエレキで弾いてます。

セカンドアルバム収録のNews。これまた初期の曲にキーボードアレンジが加えられた曲。しかしDown To The Waterlineと比べて、こちらの方が曲の雰囲気にキーボードが合っている感じ。曲の後半、後に「ラヴ・オーヴァー・ゴールド」収録のPrivate Investigationsに引き継がれるドラムパートにも効果的にキーボードが使われ、一層重厚な印象に。

そこに続くSultans Of Swing。まだ後半のソロは「アルケミー」で見られる完成度には到達していないものの、ノップラーが色々なフレーズを試していてエキサイティング。これは自論ですが、「and the Sultans played creole...」後の間奏から歌詞に戻る際、本来リフを弾くところでどれだけソロを引っ張るかがノップラーがノっているかの指標になるかと思ってます。ただリフを普通に弾いて歌詞に戻るのではちょっと物足りない。そうやって見ると、「アルケミー」はもちろんノッテいるし、演奏が長期化した上で一つの到達点にたどり着く83年までは、ほとんどの場合弾いているのでエネルギーに満ちていたのでしょう。後半のソロでピョンピョン跳ねるノップラー。イルズリー含め、全員跳ね回っていて楽しそうです。

Portobello Belleはオーディエンス録音。セカンドアルバム収録の軽快なアコースティックナンバーですが、ライブはエレクトリックで最後にギターソロが爆発。その後Angel Of Mercyに続きます。

Angel Of Mercyのボード音源もここでしか聴けません。こちらはロックの王道展開、曲の途中でバンド紹介があり、通称「キッド・ダイナマイト」のハル・リンデス、「ベースの大男」ジョン・イルズリー、ノップラーと同郷のアラン・クラークは「4,5個のキーボードを操り、手足に加え鼻でも弾く男」として紹介されてます。最後に「最高のロックンロール・ドラマーの一人」ピック・ウイザーズに歓声が送られてサビに戻り、演奏終了と共に「メイキング・ムーヴィーズ」の代表曲Tunnel Of Loveに。こちらはサックスのイントロはなく、ピアノとギターの導入部からCarousel Waltzを経て曲が始まります。ノップラーが口ずさむ曲紹介もなし。

アンコール2曲はオーディエンス録音。Where Do You Think You're Going?はキーボードの導入により最も変わった曲。暗く、メランコリーな印象をそのままに、スケール感を大きくした感じ。最後のSolid Rockにキーボードによる導入部はまだ付けられてなく、ドラム⇒ギター⇒ピアノの順で曲に参加してくる、とてもロックンロールらしい演奏で終了。次の日のコンサートがOn Locationツアー最終日になりますが、こちらもほぼ締めくくりといった内容のライブ。



【まとめ】

ダイアー・ストレイツの大きな転換期を捉えた音源として必聴。
79~81頃がダイアー・ストレイツの最も勢いがあり、面白かった時期だと思います。

ツアー終了後、ノップラーは新作のレコーディングと映画「ローカル・ヒーロー」用の音楽を作成するプロジェクトに参加し、ますますミュージシャンとしての幅を広げていきます。次作「ラヴ・オーヴァー・ゴールド」を引っさげてのワールド・ツアーは演奏する国に初の豪州、日本を含め更に大規模なものに。

Eat A Peachにはこれ以降もダイアー・ストレイツのブートを作ってほしいところ。今作Rock WerchterはGodfather Records時代の"Singing Oldies And Goldies"ほど内容に満足の行くブツではないかもしれないですが、目のつけどころとデザインは良いので、今後も力の入った作品をリリースしてくれることを期待。とても良いレーベルの気が。。。




【参考文献】

・「Dire Straits」
Oldfield, Michael. Dire Straits. London: Sidgwick & Jackson, 1984. Print.

唯一のバンド公認の伝記。著者はノップラーのジャーナリスト時代からの友人で、多くの未公開写真を収録しているが、扱っている時期が「アルケミー」を録音したラヴ・オーヴァー・ゴールド・ツアー(83年)の辺りまで。

・「On Every Bootleg」
ダイアー・ストレイツのブートレグ情報サイト。
http://www.oneverybootleg.nl/

・「Rock Werchter」
ウェルヒター・フェスティバルの公式サイトより、1981年のフェス模様の写真がいくつか載っています。
http://www.rockwerchter.be/en/history/detail/rock-torhout-rock-werchter-1981

・「マーク・ノップラー/ギターマンの夢」
マイルス・パーマー著、山本安見訳
大栄出版、1993年8月22日初版第一刷発行

非公式(バンド側が認めていない)の伝記。マーク・ノップラーという男に焦点を当て少年期からダイアー・ストレイツのキャリア後期までの間、彼が同僚や友人たちの証言を元に、多くのミュージシャンとの交流やグループの軌跡を追った本。解散後、ソロキャリアまでを扱った本が日、英共に出版されていない中、ダイアー・ストレイツの伝記としてはデファクト・スタンダードか。



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