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B.B. King/Texas International Pop Festival/1969年9月1日テキサス・インターナショナル・ポップ・フェスティバル 

写真



ブルースの王者B・B・キング、以前書いた「テキサス・インターナショナル・ポップ・フェスティバル」への出演を収録したブート。数少ないブルースのブートレグの一つ。



ブルースのブートレグが希少

キングのブートが一枚しか存在しないのも由々しき事態ですが、ブルース・アーティストのブートレグ自体が希少なのも納得がいかない!
他にプレス盤が存在するのって同フェスティバル出演のジェイムズ・コットン、90年代のジョン・リー・フッカー(TSP盤)位ではないでしょうか。マディー・ウォーターズとストーンズの81年のシカゴのクラブでの共演や、オーティス・ラッシュとクラプトンの86年モントルーでの共演などはすでにオフィシャルで発売済み。それらと比べるとコットンやキングのプレス盤はそれ自体が奇跡のようなものです。音源だけならかなりの数が存在するんですが。


キングのアーティストとしての重要性

ブルースマンというよりはブルース・アーティストという表現の方がしっくりくるキング。自身はリズム・アンド・ブルースのアーティストだと認識しているようですが。
ジャズやポップスなど、多方面から様々な要素を取り入れたサウンドはマディー・ウォーターズ、バディ・ガイなどシカゴ・ブルース勢とも異なるキング独自のもの。ジャンル分けを拒むキングのサウンドは、ギターの一音で彼だと認識できるほど、彼自身と結びついていると多くのミュージシャンたちが口を揃えて証言しています。

自分が最初にキングを好きになった理由は、その南部の黒人牧師による説教のような、野太い声に憧れたから。ギターのサウンドの方が取りざたされることが多く、自分もその音には親しみを覚えましたが、キング本人も言っているように、声とギターの両方を使って歌っているキングにとってはどちらも不可分の要素なのでしょう。


時代、キャリア上の位置づけ

ロックンロールの全盛期であり、また黒人の権利向上を訴えた公民権運動が盛んだった60年代初頭まではブルースを古い時代の象徴として捉え毛嫌いした黒人のオーディエンスと、フォーク・リバイバルの一部として広まった、「ピュア」なカントリー・ブルースを愛しエレクトリックの音楽を商業的だとして排除する風潮の狭間に立たされたこともあったキングですが、その後クラプトンやストーンズ、ビートルズなどイギリスの若い世代によるプッシュに加え、マイク・ブルームフィールドやポール・バターフィールドなどブルースを継承するアメリカの若者たちの熱烈な指示を受け、ヒッピー・ジェネレーションの新たなファンを獲得します。


どうやら風向けが変わってきた。そんな感じがした。ヒッピーたちはブラック・ミュージックに夢中だったし、メインストリームの若者のマーケットを代表していたのがそのヒッピーたちだった。私にとってさらによかったのは、彼らの嗜好が流行のR&Bを超えて、その源にまで向かっていたことだ。たとえばローリング・ストーンンズは、自分たちに影響を及ぼしたブルースマンたちのことをいつも話していたし、キース・リチャーズもミック・ジャガーもブラック・ミュージックを熱心に研究していた。ブルースは、もっと多くの人々に聴かれる価値がある…。おそらく彼らは、私と同じようにそう思っていたのではなかろうか。そんな彼らの確固たる信念のおかげで、B・B・キングの名前は聴衆に広められていったのだ。

- 「だから私はブルースを歌う」 p.224.


60年代後半にはロック・フェスにも出演するようになり、クロスオーバーすることに成功したキング。
そんな中でもフェスの全日程に出演するのは初めてだったという、テキサス・インターナショナル・ポップ・フェスティバルでのライブ。


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【ブート】***************************************

91年に発売(Bootlegpediaより)されたOh Boy盤はテキサス・インターナショナル・ポップ・フェスティバルのシリーズものの一枚。ツェッペリンやジョニー・ウィンターのCDと違ってなかなか見かけないですが、2010年リリースのNeverland盤"Texas International Pop Festival 1969 collector's edition"は現在も入手しやすい。

自分のこのセット入手の一番の理由がB・B・キングのライブが聴きたかったから。ツェッペリンやジャニスなど定番に加え、Oh Boyからは単体でのリリースがなかったアーティストの出番も多く収録した優秀な内容で、特にキングの演奏はオリジナルのOh Boy盤以外ではこのセットでしか聞けないと思います。

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【サウンド】**************************************

サウンドボード音源で音質が良いテキサス・ポップのブートの中でも特に音が良い部類に入ると思います。
各楽器もしっかり聞き取れ、ドラムの音もパンチが効いてます。

オリジナルのOh Boy盤は持っていないのですが、他のアーティストの収録部分を聞く限り、Neverland盤は音を変に加工するなどはしていないようです(ツェッペリンは例外)。クリーンでバランスの良い、音源の良さが生きているサウンド。


【収録曲】**************************************

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Introduction
Sweet Sixteen
Please Accept My Love
Band Introductions
Everybody Wants To Know Why I Sing The Blues
Don't Want A Soul Hanging Around~It Ain't My Cross To Bear
What's Wrong Little Mama
How Blue Can You Get
Whole Lot Of Lovin'
Everyday I Have The Blues(冒頭フェイドイン、バランス調整、次の曲に繋がるところでカット)

曲中カットなし


収録曲の順序には疑問があって、普段オープニングに使用していた"Everyday I Have The Blues"の順序が最後になっていたり(始めに音のバランスを調整しているのがわかります。曲終了後、次の曲に繋がっていく部分でカット)、曲と曲の間のカットが頻繁にあり、いかにも編集したようなにおいがプンプンします。3日間全ての日程に出演したということで、全日程の録音から編集して作成された可能性もあり?



【演奏】******************************************

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    ■バンド

    B.B. King-Vocals, Guitar
    Sonny Freeman-Drums
    John Browning-Trumpet
    Booker Walker-Alto Sax
    Louis Hubert-Tenor Sax
    Alberto Jiqueto(?)-Piano
    Kenneth Board-Bass





メンバーは翌年録音される"Live In Cook County Jail"とほぼ同じで、長年連れ添ったドラムのサニー・フリーマンを中心に、管楽器隊を加えた編成。キング最大のヒット曲である"Thrill Is Gone"録音前最後の時期。

セットはキングのレパートリーの定番、"Sweet Sixteen"、"Everyday I Have The Blues""How Blue Can You Get"などを含み、アップテンポとスローな曲を交互に入り混ぜた構成となっています。


キングの最高傑作との呼び声も高い、"Live At The Regal"から5年。本人はこれよりテンションの高かった演奏はザラにあると述べており、またそこからの数年でかなり演奏の技術面で進歩したとも言っていますが、"How Blue Can You Get"での表現力を聴くとそれもあながち間違いではないと思えます。


I gave you a brand new Ford.
お前には新車のフォードを買ってやった

But you said, "I want a Cadellac"
だがお前は、「あたしキャデラックがいい」と言う(腰に手を当てて、女性らしい声で)

I bought you a ten dollar dinner.
10ドルの食事をごちそうしてやった

And you said, "thanks for the snack"
お前は「おやつをありがとね」とぬかす

I let you live at my penthouse
俺のペントハウスに住まわせてやった

You said it was just a shack
それを「ただの小屋じゃない」だと

I gave you seven children
7人も子供を与えてやったのに

And now you want to give them back!
今じゃ全員返したい、だと!

Yes, I've been downhearted babe.
そうさ、俺は心が痛い・・・



ここはいつも大歓声が起きるポイント。ここでの演奏もご多分に漏れず、拍手喝さいが巻き起こっています。
個人的には"Live In Cook County Jail"と同等の演奏で、"Live At The Regal"よりこちらの方が好み。

3日間の日程の内、どの曲がどの日の録音なのかはわかりませんが、冒頭の"Introduction"ではフェスティバルに3日間出演したのは初めてだと述べていることから、一部が最終日の9/1の録音であることは間違いなさそうです。

その"Introduction"では「世界中の人々に、ウッドストック以外でも素晴らしい時間は過ごせるってことを証明することができましたね。」と、つい2週間前にニューヨーク郊外で開催されたウッドストックにも触れるキング。

レパートリーの定番、"Sweet Sixteen"を豪快に歌いあげた後は、"Please Accept My Love"でいつも以上にしっとりと、丁寧に歌っています。セット中、最も古いポップスを連想させる曲。

「君の名前も知らない。けれど愛していることに変わりはないんだ。」

エンディングはフェイクで、最後に「君と一緒にいられるなら、僕も命を絶つよ」を繰り返し歌う姿には鬼気迫るものを感じます。

ハイテンポでファンキーなベースラインがかっこいい、"Everybody Wants To Know Why I Sing The Blues"でもフェイクのエンディングで、演奏を再開させるキングをMCが注意して止めさせているのが面白い。
MCが、「ミスター・キングにもう一度拍手を」とまとめようとすると、観客が一斉に「もっと!!」と叫び始めます。
それに乗じてダメ押しの一発を入れるキング。笑

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"Don't Want A Soul Hanging Around~It Ain't My Cross To Bear"
前半はギターの”ルシール”にたっぷりと歌わせてから、その後バンドを加わえ、しばらくジャムった後に歌に突入。
「俺がいない間に、誰も家に入れるんじゃない!」という嫉妬心、不安を悲痛な叫びとともに歌い上げます。
理不尽極まりない内容ですが、こんな声で怒鳴られたらヒャイッ!!てビビっちゃいますね。笑


ハイペースな前半から一転してペースを落とした後半スローナンバーに変わる"What's Wrong Little Mama"。またしてもベースラインがかっこいい。



"Whole Lot Of Loving"はエルモア・ジェームズを連想させる3連ギター・リフが特徴的なナンバー(スライドではないですが)。


そして最後の"Everyday I Have The Blues"は、"Sweet Little Angel"、"Sweet Sixteen"など、キングが今も歌い続ける代表曲のアレンジを行い、キングが「無二の親友」と呼ぶマックス・デイヴィスが手掛けたナンバー。曲はメンフィス・スリムのオリジナル。こちらもかなり速いバージョンで、オープニングには最適ですが、個人的にはもう少しテンポを落とした方が好み。


**********************************************



黒人アーティスト専用の演奏ルート、通称チトリン・サーキットから脱することに成功したキングはこの後、69年の秋から冬にかけてローリング・ストーンズの3年ぶりのツアーにオープニング・アクトとして参加し更に露出を高め、また"Thrill Is Gone"で初のナンバーワンヒットを獲得。ブルースの親善大使として欧州、日本、アフリカを含む世界各国を飛び回る大スターになります。

年間300日以上の演奏スケジュールを40年以上に渡って継続する力と人気を持った非凡なアーティスト。
御年89歳を迎えた現在も、年間100公演はかかさないというのだから仰天してしまいます。とんでもないワーカホリック!

そのキングの底なしのエネルギーを感じることができ、若く勢いがピークに達していた頃の演奏を収めた本盤は、ブルースファンのみならず一度は聴いてもらいたい。チョーキングするギターの音にやみつきになります。笑



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【参考文献】*******************************************


(英語)フェスについての本。著者がネット上に無料で公開しています。
タイトルは"Son Of Bethel: The 1969 Texas International Pop Festival"(Bethel:べセルとはウッドストックの開催地の名称)
http://www.watermelon-kid.com/history/dallas/features/sonbeth/SixtiesDallas-sonbeth0.htm

(日本語)年代ごとの作品が紹介されているページ。
http://www.kino1989.info/B.B.King/B.B.Decades.asp?Gen=196

(英語)B・B・キングのライブ音源が紹介されているページ。
http://slowhandbcn.com/bb-king.html#TOP

「だから私はブルースを歌う - B.B.King自叙伝」
B・B・キング,デビッド・リッツ著,石川淳訳
株式会社ブルース・インターアクションズ(2001年)
- B・B・キングの自伝。
生い立ちから90年代後半までの人生を振り返った内容。様々なミュージシャンとの交流が描かれていたり、常に一線で現役を続けてきたキングだからこそ語ることのできる豊富な内容。各年代ともエピソードに溢れており、全く飽きなかったです。キングの人柄、考え方がわかる内容になっています。超おススメ。

Life Of Riley
ジョン・ブルワー監督
MVDvisual
2012年上映、2014年発売
- キングの最新ドキュメンタリー。
上記の自伝がキング自身の語りにより、身に起きた出来事に対しての考えを記しているのに対して、多くのミュージシャンのインタビューが収録されていて、周りのキングに対する評価がよくわかる内容となっています。インタビューされている人物にはビル・コスビー、エリック・クラプトン、リンゴ・スター、ボニー・レイット、ロニー・ウッド、モーガン・フリーマン(語り手も務める)、ボノ、スラッシュなど豪華スター勢に加え、キングの親戚まで。




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キング亡くなっちゃいましたね、合掌。
[2015/05/21 00:16] - [ 編集 ]

Re: あ

合掌。悲しいものです。一度はライブに行きたかった。。。

> キング亡くなっちゃいましたね、合掌。

[2015/05/24 15:14] TM [ 編集 ]

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