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Dire Straits/Sings Oldies And Goldies/1985年8月5日クリーブランド公演&1978年1月30日リーズ公演 

CIMG5219.jpg


2 in 1で決定盤

イタリアのGodfather Recordsより初のダイアー・ストレイツのブートレグが登場。
ダイアー・ストレイツのライブがプレスで出たのはいつ以来でしょうか。90年代、まだバンドが現役だった頃は幾多のレーベルから乱発されていたのに、活動を休止してからすっかりリリースはおろか、音楽史自体から忘れされてしまったのかと思うほど取り上げられることがなくなっていたバンド。そんな中で新作を出して膠着状態を打破したGodfatherには感謝。ファンとしては嬉しい限り。


そのGodfather Recordsは自身名義のリリースはしなくなったものの、現在はEat A Peachレーベルとして活動を継続中。後者から出たRock Werchterは以前レビューした通り。これからもダイアー・ストレイツのレア音源のアップグレード盤を出してくれることを願うのみです。

本作、"Singing Oldies And Goldies"は1985年8月5日、アメリカはオハイオ州クリーブランドでのライブと、1978年1月30日、イギリスはリーズでのライブのカップリング。どちらもサウンドボード音源。前者は以前から出回っていた音源に最近新たに発見されたコンサート終盤の曲を追加収録しており、後者はダイアー・ストレイツがトーキング・ヘッズの前座としてツアーに同行していた頃の録音で、バンド最古のサウンドボード音源。こちらはプレス盤に初収録。両音源の決定盤をリリースしたGodfatherに乾杯。


ブートレグ・音質

クリーブランド公演は以前The Swingin' Pig(以下TSP)の”American Tour 1985”や、「輸入盤」としてかつて正規盤と同様に堂々と売られていたハーフ・オフィシャルレーベルPipeline(以下PL)の”One World"、"Wild West End"等でリリースされていたもの。他にも数タイトル存在しますが、どれも同じような内容。いずれもRide Across The RiverからTunnel Of Loveまでの収録。

ダイアー・ストレイツのブート情報サイト、On Every BootlegによるとTSP盤はノップラーのボーカルの音量が大きすぎるらしく、PL盤の方がバランスの良いミックスに仕上がっているとのこと。それでも他の音源と比べて大分ボーカルは大きめ。

ダイアー・ストレイツは良質なサウンドボード音源に恵まれているバンドですが、クリーブランド公演は前述のように、ミックスが偏っていたり、シンバルの音がシュワシュワとフェージング?したりと、同時期のサン・アントニオやヒューストン公演と比べるとワンランク落ちる音質。とは言え、ベース、ドラム、ギターの音は生々しくて迫力満点。70年代前半頃までのサウンドボード音源を収録したブートレグとは全体的にレベルが違う音の良さです。

craftsmanship-dire-american-tour-85.jpgDire_Straits-American_Tour_1985-Trasera.jpg
・The Swingin' Pig盤

CIMG5323 - コピー
CIMG5324 - コピー
・Pipeline盤

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CIMG5220.jpg
・Godfather Records盤(3面見開き紙ジャケット)



ちなみに、85年から86年にかけて行われたBrothers In Armsワールドツアーのサウンドボード音源は以下の6つ。


【1985年】=================================================================
 ・7/10 ロンドン: ウェンブリ―・アリーナ(プロショット映像有り)
 ・7/13 ロンドン: ウェンブリ―・スタジアム(【ライブ・エイド】。プロショット映像有り)
 ・8/05 クリーブランド: ブロッサム・ミュージック・センター
 ・8/16 サン・アントニオ: ミュニシパル・オーディトリアム(【Wolfgang's Vault】)
 ・8/17 ヒューストン: サミット・シアター(【Wolfgang's Vault】)
【1986年】=================================================================
 ・4/26 シドニー(ツアー最終公演:プロショット映像有り)


映像が残されている公演、またWolfgang's Vaultにで公開されている公演を除けば、クリーブランド公演はこのツアー唯一の正当な(?)流出音源です。

今回のプレス化に際し、新たに発掘されたコンサート終盤の2曲を新たに収録したのが大きい。前述のTSP盤、PL盤はTunnel Of Loveまでの収録だったので、Brohters In ArmsとSolid Rockが聴ける本作がこの音源の決定盤であることは間違いないでしょう。

おまけに、ボーナスとして収録されているリーズでのライブは、まだグループがトーキング・ヘッズの前座としてツアーを回っていた頃の、つまりバンドの最初期のライブ音源。音源としては充分に単体でのリリースも可能なのに、追加収録してくれるとは嬉しい限り。バンド最初期の音源と、最大の成功を収めた時期の音源のカップリングということでタイトルが"Singing Oldies And Goldies"なんでしょうね。


演奏

(Disc 1-1 ~ Disc 2-3)
【1985年8月5日、米国オハイオ州カヤホガ・フォールズ、ブロッサム・ミュージック・センター】

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円形劇場のブロッサム・ミュージック・センター。なだらかな丘に腰を下ろしてステージを観ることができる。

【収録曲】
=============================
Ride Across The River
Expresso Love
One World
Romeo And Juliet
Private Investigations
Sultans Of Swing(途中カットあり?)
Why Worry
Walk Of Life
Two young Lovers
Money For Nothing
Wild West End
Tunnel Of Love
Brothers In Arms
Solid Rock
=============================
※Going Homeは未収録


85年4月、中東からスタートしたツアーはそのまま東欧⇒西欧⇒カナダと続き、8月からは米国レグが開始。
この日のセットリストは米国レグのスタンダードなもの。最新アルバムからは6曲がセットイン。

3曲目にOne Worldを持ってくるのが米国レグの特徴。始めの欧州レグではSo Far Awayでした。
そして最大の特徴は後半にWild West Endを持ってきていること。ファーストアルバム収録の曲が、79年のコミュニケ・ツアー
以来、約6年ぶりにセットリストに復活しています。


ツアーメンバーはラブ・オーヴァー・ゴールド・ツアーの時から変わり、サックスはメル・コリンズ(アルケミーでサックスを担当)に替わってクリス・ホワイト、キーボードはトミー・マンデルが抜けてシンセサイザーを操るガイ・フレッチャーが参加。ドラマーは前ツアーから引き続きテリー・ウィリアムズ。リズムギターはハル・リンデスが脱退し、ノップラーとニューヨークのギターショップで知りあったジャック・ソニが交代で。以下は欧州レグでのジョン・イルズリーとアラン・クラークへのインタビュー。新しいバンドと世界ツアーについて話しています。




興味深いのは、ハル・リンデスの脱退についても触れられていること。マークの弟、デヴィッドの脱退の際とは異なり、「彼のキャリアのため」とポジティブに捉えるイルズリー。性格的にもリンデスの若くエネルギッシュな部分は大人な(オッサンな?)ストレイツの面メンとは多少のズレがあった模様で、別に仲違いした訳ではないですが、リンデスはストレイツを離れて自らのキャリアを歩んでいくことがベストだと判断したそうです。事実リンデスはマークと映画のサウンドトラックの仕事に携わった際の経験から、ストレイツ脱退後はその方面でのキャリアを歩んでいきます。

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85~86年のツアーメンバー:
左からジャック・ソニ、ガイ・フレッチャー、ジョン・イルズリー、マーク・ノップラー、テリー・ウィリアムズ、アラン・クラーク、クリス・ホワイト



80年から4年に渡ってコンサートの幕開けを飾ってきたOnce Upon A Time In The Westに替わり、最新アルバムよりRide Across The Riverがライブの開始を担うように。アフリカンなリズムに漂うフルート、そして絡みつくようなノップラーのギターが、どことなく中東か東南アジアか、暑い地域を連想させます。個人的にはアルバムの中で1番好きな曲。ライブアレンジにするならもうちょっとOUATITWのように終わりの展開まで変化が欲しかったなあ、と思うのは私だけでしょうか。

One Worldはシンセサイザーが80年代らしさを醸し出してます。この音源だとギターが前面に出てきてロックらしいリフがガツンと感じられて個人的には好み。ノップラー自身はあまり気に入ってる曲ではないみたいですが。

One Worldが終了すると同時にクリス・ホワイトのサックスとガイ・フレッチャーのシンセがRomeo And Julietの始まりを告げます。
Romeo And Julietはサックスがこれ以上なくピッタリ。クリス・ホワイトのソロもフィーチャーされます。
   
この日の「悲しきサルタン」は今でも疑問なのですが、歌詞が終わってノップラーのソロに入った後、いつもなら一旦終息してから再びクライマックスまで盛り上げていく展開のところ、何故かストップなしに最後まで演奏しきっています。聴いているとクライマックスのソロに入るところで音が一時的に一段と不安定になるのでカットがあるのかと思いますが、音がシュワってて不安定なため分かりづらく、判断が付きません。カットではないのであれば、よりレアな演奏ということになりますね。



そしてこの日の目玉は何と言ってもWalk Of Life。なんと、ジョン・イルズリーのベースソロが聴けます!
ダイアー・ストレイツのライブで後にも先にもジョン・イルズリーがベースソロを弾くなんて聞いたことがありません。激レアなので一聴の価値あり。聴いてみて思ったのは、「あ、イルズリーもその気になれば弾けるんじゃん」と安心したこと。ノップラー自身を除き、結成当初から残る唯一のメンバーでありながら、常に大きな身体を揺らしながら地味なベースラインを弾いているだけのイメージのイルズリー。批評家などからもベースの腕前については「堅実」と評されるくらいで褒められたことなどなかったイルズリーなので、本当に曲をなぞることしか出来ないのではないかと心配でしたが、そこは流石プロ、出番が来ればそつなくこなすのですね。




アルバム最大のヒット曲、Money For Nothingはギター、ドラム、ベースが前面にミックスされている効果もあって迫力満点。そして80年代を代表するロック・ソングの一つとは対照的に、その後静かに始まるWild West End。USツアーのポイントはサウンドボード音源にて85年版Wild West Endが聴けることでしょうか。
新しいアレンジで約6年ぶりに復活したファーストアルバム収録の曲がセットリストに。16日のサン・アントニオ公演と17日のヒューストン公演ではイントロにクリス・ホワイトのサックスによる導入部が付くのですが、この日の演奏ではノップラーがMoney For Nothing終了後すぐにギターを弾き始めています。後半、コーラスとノップラーのナショナルの音だけが曲を繋ぐ中、突如切り込んでくるジャック・ソニのギターソロ。まるで映画のサントラのように壮大なアレンジに、ノップラーのアレンジャーとしての才能を感じます。

Tunnel Of Loveでは普段は聴き取れないノップラーのボソッとしたアドリブが鮮明に聴き取れる。別に良い声ではないのであれですが。鼻にかかった、かすれて消えていくような声でボソッと、眉間にしわを寄せてやる気のなさそうにアドリブを決めるノップラー。渋い!渋すぎる!!映像版「アルケミー」でも聞ける、ノップラーによる曲紹介付き。約17分に渡る演奏。

新発掘部分のBrothers In Armsからは音源が異なるのか、音の定位が少し変わります。
Solid Rockにはジャック・ソニとクリス・ホワイトのソロがフィーチャーされ、より豪華なロックンロールで大団円を迎えます。
ノップラーが映画「ローカル・ヒーロー」のサントラから最後の曲、Going Home (Theme From Local Hero)をアナウンスするところでテープが終了。

全米ツアーが開始して間もない中、演奏もエネルギッシュで良い公演。Wolfgang's Vaultで公開されているサン・アントニオ公演とヒューストン公演と比べてみても、前者はノップラーのギターが低めにミックスされているし、後者は音質の面では完璧で本ツアーの代表的音源ではあるものの、ノップラーの調子が今一つな感がするんですよねー。それに対して前述のイルズリーソロが聞けるWalk Of Life、また85年盤Wild West Endを収録している公演という点で、音質が不安定な部分や、微妙にコンサート完全収録ではないにしても、やはりこのクリーブランド公演を推したいところ。



■ボーナス収録

(Disc 2-4 ~ Disc 2-12)
【1978年1月30日、英国ウェスト・ヨークシャー、リーズ、リーズ大学】


roundhouse.jpg
写真は前日29日、ラウンドハウス公演。


【収録曲】
=============================
Southbound Again(フェイドイン)
Eastbound Train(フェイドイン)
Down To The Waterline
In The Gallery
Water Of Love
Setting Me Up
Me And My Friends
Real Girl
Sultans Of Swing
=============================

ディスク2の大部分を占めるのは1978年1月30日、イギリスのリーズ大学でのライブ。こちらもサウンドボード音源にて収録。

ファーストアルバムのレコーディング前、ストレイツが1月後半から2月頭までの約2週間、トーキング・ヘッズのツアーにサポート・バンドとして参加していた頃のライブで、アルバムとは微妙に異なるアレンジや未発表曲も演奏している貴重な音源。
音質の良さも相まって、ダイアー・ストレイツ初期の重要音源です。

以前からファンの間では出回っていた音源ですが、プレスCDとしてのリリースはGodfatherが初めて。
Godfatherが先陣切ったことで他の業者も負けじと追随しており、Way Of Wizards(以下WOW)は単体でLPとCDのセットでリリース。

DS_live_at_leeds_front.jpgDS_live_at_leeds_back.jpg
WOW盤LPとCDのセット
(WOWは他にも79年ロックパラストや、86年シドニー公演など、ストレイツの定番音源のDVDなどをリリースしています)



セットリストにはこのツアー後にレコーディングを開始するファーストアルバムに収録される曲に加え、初期のライブでしか演奏されなかった未発表曲が含まれ、さらに曲順もアルバム作成後の公演とは異なるものとなっているため、とても興味深い内容になっています。

冒頭は2曲はノップラーのギターの上手さが光る曲。
ノップラーが「地元の一つでプレイ出来て嬉しいよ。これはニューカッスルで書いた曲だ」と言ってSouthbound Againが開始。
最後のテケテケでフェイドアウト。次のEastbound Trainもフェイドインで開始。ゴリゴリにブギウギしてます。
初期のライブは全部Down To The Waterlineから始まると思っていたので、後にセットリストの終盤に落ち着くことになるこの2曲がライブの始めに来るのは新鮮。

Down To The Waterlineはイルズリーとデヴィッドのバックコーラスがスタジオバージョンより長いのが特徴。
ノップラーのボーカルはこれ以上ないほど苦み走っていますが、珍しく歌詞を間違えたり、フレーズを弾けていなかったりします。

ノップラーはIn The Galleryをリーズの彫刻師についての歌だと言って紹介しています。
その彫刻師はライブの行われているリーズ大学のビルで働いていたとのこと。
この時期のノップラーのボーカルスタイルは苦虫を潰すようなダミ声の最盛期ですが、そんな中でも歌詞の最後に吐き出すように歌った"In The Gallery"には驚きました。末期の病人が死ぬ間際、最後の力を振り絞って発するような、"In The Gallery"。是非聴いてみて下さい。笑



Water Of Love:あまり使わないけど、ノップラーって実はスライドも上手いですよね。

Me And My Friendsは初期の未発表曲の中でも特に録音数が少ない激レア曲。またそれの唯一のサウンドボード音源。次のReal Girlも同じく、ライブのサウンドボード音源はこの公演しか存在しません。77年バンドが録音したデモ・テープにはReal Girlが収録されていますが、ファーストアルバムには収められずそのままお蔵入りになってしまいます。Real Girlの方は印象に残るし、収録しても良かったのでは?と思う曲。



そんな初期ならではのレアな2曲の後に続くのは最後の曲、デビューシングル「悲しきサルタン」 (Sultans Of Swing)。
「南ロンドンで見かけたジャズ・バンドの曲さ」と紹介して始まるサルタンはリフと歌詞こそほぼ完成していますが、後半のソロがスタジオ版と比べて長い。後にファーストアルバムを引っ提げてツアーを行う時はより短くなっているので、曲がライブでどのような変遷を遂げてきたのか知るのに重要なテイク。ただ、ソロの最後にノイズが入っているのは残念。ノイズが入っていることで批判されることもボチボチあるレーベルですが、最後の最後で、、、うーむ、惜しい!!

ダイアー・ストレイツが成功を掴む前の最初期の音源。前座の卒業前夜といったところでしょうか。
ノップラーのギターの上手さは置いておき、よくこのようなレイドバックなサウンドのバンドが、僅か数年でスーパースターにのし上がったものだと思います。そんなバンドが80年代に世界最大のバンドの一つとして活躍していたという事実が結構好きだったりするんですが。笑

レアな2曲に加え、アルバム録音前の曲がどんな形で演奏されていたかを知ることが出来る素晴らしい音源。細かい部分でアレンジを変えながら曲を練り上げていくんだなー、と感心します。若さが抜けきっていないオッサン達の元気な門出をみるような気分です。


まとめ

2公演分のレビューとなったので長くなりましたが、本作は両音源の決定盤と言えるでしょう。
リーズ公演のサルタンで一瞬ノイズが入るのは残念ですが、それを差し引いてもダイアー・ストレイツのブートの中でベスト数本の内に入るのではないでしょうか。


【参考文献】

・「On Every Bootleg」
ダイアー・ストレイツのブートレグ情報サイト。
http://www.oneverybootleg.nl/

・Collector's Music Reviews
【英】"Singing Oldies And Goldies"のレビュー。
http://www.collectorsmusicreviews.com/godfather-label/dire-straits-singing-oldies-and-goldies-the-godfatherecords-g-r-10021003/

・「マーク・ノップラー/ギターマンの夢」
マイルス・パーマー著、山本安見訳
大栄出版、1993年8月22日初版第一刷発行




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