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The Band/"Take a Load for Free"/1976年9月18日ニューヨーク公演 

CIMG4782.jpg



エリック・クラプトン、ジョージ・ハリスンなど数多くのミュージシャンから尊敬されたザ・バンド。
1968年、「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」でメジャーデビューした彼らですが、下積みは長く、ボブ・ディランのバッキングバンドを務めるなど、解散する1976年まで16年も一緒に演奏を続けてきました。


1976年11月25日、感謝祭の日に行われたザ・バンド最後のコンサートは、マーティン・スコセッシ監督の映画「ラスト・ワルツ」にも収められており、70年代のロックの転換点とも言われる象徴的な出来事となりました。

この年の6月から9月にかけて、ザ・バンドは最後となるUSツアーを行います。

この頃、バンド内ではギターのロビー・ロバートソンがマネージメント陣と共にグループの向かうべき方向を決定するようになり、ドラムのリヴォン・ヘルムとの間に不信感が募ります。

他のメンバーも、家族と過ごす時間やソロアーティストとしての契約など、それぞれの道を模索しており、以前より全員を一同に集めることが困難になっていた頃。

ツアー後半、9月に入り、ピアノのリチャード・マニュエルが事故にあい、首に怪我をしたため、10日間ほどの日程がキャンセルとなります。

これをきっかけにロビーはもうツアーをやらないと宣言。息子が生まれたことに加え、長年に及ぶツアーの過酷な生活に嫌気がさしたロビーは、感謝祭の日に最後のコンサート行い、ザ・バンドを解散させるという企画を始めます。バンド存続を望むリヴォンはこれに猛烈に反対し、二人の間に決定的な対立が生まれてしまったのです。

しかしリヴォンの反対をよそに、マネージメント陣と協力してロビーの計画は実行に移されていきます。
映画「ラスト・ワルツ」の完成を目標として・・・


90676palladium.jpg


リチャード・マニュエルの復活を持って再開されたツアーは、すぐにニューヨーク、パレイディアムでの公演を迎えます。このツアーではラジオ公演として放送された日が2つあり、



・7月17日、ワシントンD.C.公演(Carter Baron Amphitheater)
~ラジオ"King Biscuit Flower Hour"にて放送

・9月18日ニューヨーク公演(Palladium)
~ボストンに拠点を構えるラジオ局、WBCNより、公演と同日に放送された模様(ソース)



両公演はいずれもブート化されていますが、今回は9月18日の方を取り上げたいと思います。
当時の広告を見る限り、二日間連続公演だったようですね。

ちなみにこの公演が行われた会場、パレイディアムの元の名はアカデミー・オブ・ミュージック。
そう、公式ライブ盤「ロック・オブ・エイジス」が収録された会場です。


20110705010821-Palladium Marquee



1854年にオペラハウスとして建てられた由緒ある建物であり、1950年代よりロックコンサートが開かれるようになって人気を博した同会場は、1971年、フィルモア・イーストの閉鎖に伴い、ロックグループにとって重要な中規模ライブハウスという位置づけに。

1975年より一時期閉鎖していたものの、Schaefer Music Festivalなどを手がけたニューヨークの有力プロモーター、ロン・デルスナー(Ron Delsener)氏により復活。再オープンを記念して組まれた公演にザ・バンドが選ばれたのでした。

そんな経緯もあってか、この公演ではハワード・ジョンソン(Howard Johnson)の指揮する管楽器隊が参加しており、バンドの演奏に華やかさを加えています。



CIMG4784.jpg


今回紹介するタイトル"Take A Load For Free"

この公演を収録したプレス盤はこれしか存在しないようです。


このブート、レーベル名がなく、どこ系列なのかもわかりません。
どなたかご存じの方いらっしゃらないでしょうか。

しかもディスクには Take A Lord For Free だと。色々おかしい。

とは言え、こういう単発的なよくわからないブートでもいいものがあったりするから探究心がくすぐられるんですよね~笑


ラジオ用に録音された良質なサウンドボード音源ですが、残念なことにカットありです。



Forbidden Fruitでは途中、3秒程のカットがあり、歌詞が一部抜け落ちています。


Acadian Driftwoodが最も酷く、歌詞の2回し目のサビの手前でカット、そして何故か1回し目の途中まで戻ったところでフェイドインして再開、という謎の処理がなされています。


Life is a Carnivalも、そこまで酷くはないにしろ、歌詞の1回し目でフェイドアウトし、数秒戻った地点から再開する箇所があります。



youtubeに上がっている、CD-R盤ブートからの音源と思われるAcadian Driftwoodを聞くと、歌詞のダブりが編集されているのが確認できます。どうやらCD-Rやネットで広まっている最近の音源ではこれらの箇所を上手く繋げる処理を施しているようです。そもそもなぜ、このようにカット/リピートというような現象が存在するのでしょうか・・・





ちなみに、このブート、写真にもあるように、ロビー・ロバートソンのソロ活動におけるプロモ・シングル2曲のエディット・バージョンがボーナストラックとして収録されていますが、あまり魅力を感じないのでスルーさせていただきます。(ロビーファンの方、ゴメンナサイ・・・)



そしてさらに、クレジットされていませんが、もう1曲、最後に入ってます。
こちらはザ・バンド本人たちの演奏で、どうやらラジオに出演したときの模様。

再結成後のアルバム、「Jericho」に収録されたBlues Stay Away From Meをやっているのですが、非常に砕けた雰囲気で、楽しんでいるような演奏です。まさか酔ってる?笑  個人的にはかなり好き。







音質

楽器間のバランスは良く、管楽器もしっかりと収録されています。

曲間には歓声が大きめにミックスされており、エンジニアがレベルの調整を行っているのが聞き取れます。

音像には奥行きがあり、程よい残響も相まってライブ感抜群です。

シャープというよりはアナログの温かみを感じさせる音質。柔らかさがあって個人的にも好みの音質ですね。

なお、比較対象が少ないのですが、新しいCD-R版の音質と比較してみても全くジェネレーションの違いを感じさせないので、マスターに近いソースであると思われます。



演奏

haas_2_dec_71.jpg



Ophelia
The shape I'm in
It makes no difference
The weight
King harvest
The twilight
The night they drove old dixie down
Across the great divide
Stage fright
Forbidden fruit(3秒ほどのカット有り)
Acadian driftwood (カット/リピート有り)
The genetic method
Chest fever
This wheel's on fire
Don't do it
Up on cripple creek
Life is a carnival(ポール・バターフィールド参加。カット/リピート有り)
The W.S. Walcott medicine show





1976年のリチャード・マニュエルはとても良いと言える状態ではなく、日によって喉の調子がまちまちです。全体的にガラガラ。

リヴォンの回想によると、前年のリチャードは一日にグラン・マニエ(アルコール度数40%)を6、7本空けながら生活していたようです。そりゃ喉つぶれるわな。


この日に限っていえば、苦しそうに感じられる部分はあるものの、首の怪我をおして演奏していることを考えれば悪くないのではないでしょうか。





1曲目、最新作「南十字星」(Northern Lights Southern Cross)からのシングル、Opheliaで幕を開けるコンサート。

「ラスト・ワルツ」ではホーン・セクションを呼び出すのは4曲目life is a carnivalからですが、この日は最初から管楽器隊がバックアップ。

特にit makes no differenceのホーン・アレンジ付きバージョンをサウンドボード音源で聴けるのはこのブートだけではないでしょうか。


ホーンのアレンジと言えば、the night they drove old dixie downではイントロが「ラスト・ワルツ」とは異なりますね。こちらのは「ロック・オブ・エイジス」などと同じアレンジです。



ちなみに、「南十字星」(Northern Lights Southern Cross)からは5曲演奏されています。


Ophelia
It Makes No Difference
The Twilight(オリジナルアルバム未収録ですが同セッションで作られた曲)
Forbidden Fruit
Acadian Driftwood


これらの内、The TwilightとForbidden Fruitは「ラスト・ワルツ」では演奏されておらず(7月のワシントン公演では演奏されています)、しかもホーン・アレンジ付きバージョンのサウンドボード音源となるとやはりここでしか聴けません!それだけに後者でのカットは痛い。



Acadian Driftwoodは大好きな曲なので、これだけでも聴く価値ありだと思うのですが。


フレンチ・インディアン戦争で現在のカナダ大西洋沿岸地域を追われたアカディア人。英国から逃れるため、残された仏領に移住した人もいれば、はるか遠く、アメリカのルイジアナ州まで逃れ、そこで「ケイジャン」の祖となった人たちもいたようです。ウィキペディア参照。笑


リチャード、リヴォン、リック・ダンコの3人がそれぞれボーカルを取る曲ですが、ここではリチャードの声のしわがれ具合が、戦いに疲れた老兵のような味を出していて曲に合っていると思います。



ガース・ハドソンのオルガンソロからChest Feverに突入。
リチャードは渾身の力で歌いますが、そろそろ限界か。




ロビーがアツく弾きまくるDon't Do Itでメインセットが終了。



アンコール第一弾はUp On Cripple Creek。管楽器隊なしでも元気いっぱい!

リヴォンのヨーデルは特に力入ってます。  ヨデリヨッ!

曲が終わって終演アナウンスのようなものが入りますが、まだまだ夜は終わりません。



リヴォンが出てきて、「ここで更に特別なサプライズだ。俺たちのお気に入り、ミスター・ポール・バターフィールド!」

ブルース・ハーモニカの雄、バターフィールドを迎えてのLife is a Carnival。「ラスト・ワルツ」でも吹きまくっていましたね。ここでも管楽器隊に負けじと吹きまくってます。



paul-butterfield-2.jpg



最後に定番のW.S. Walcott's Medicine Showで締めくくり。


この後ツアーを終え、ザ・バンドは10月に「サタデー・ナイト・ライブ」に出演する以外は活動せず、「ラスト・ワルツ」への準備に追われていきます。自ら設定した、解散に向けて・・・


p6.jpg




参考文献

ザ・バンド公式?ウェブサイト。ブート情報も載ってるし、記事やインタビューなどが掲載され、内容盛りだくさん。英語
http://theband.hiof.no/

パレイディアム関連の広告、写真など。著者が昔住んでいたニューヨークのロック関連のあれこれ。英語
http://streetsyoucrossed.blogspot.jp/2011/07/1976-ads-palladium.html

パレイディアムの歴史。コンサートホールなどの歴史的背景が詳細に記載されたサイト。英語
http://jerrygarciasbrokendownpalaces.blogspot.jp/search?q=palladium

英語/クリエイティブ・ライティング専攻の方のブログ。しっかり書いてあって読ませる内容。英語
http://thefrodisroomrockblog.blogspot.jp/search?q=the+band

リヴォン視点でのザ・バンド回想。これ読んだのでかなりリヴォンよりの内容になってしまったかもしれません。
「ザ・バンド 軌跡」
リヴォン・ヘルム著、ステファン・デイヴィス補筆、菅野彰子訳
音楽之友社、1994年8月10日第一刷発行


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