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Dire Straits/Like A Rolling River - Sheffield 1982/1982年12月1日シェフィールド公演 

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82年ラヴ・オーヴァー・ゴールド・ツアーの演奏を収録した決定盤

1982-1983年の間に行われた、ラヴ・オーヴァー・ゴールド・ツアーのライブ音源がついにプレス盤で登場しました。

過去にロンドン、ウェンブリー・アリーナ公演を不完全に収録したレコードは存在しましたが、こちらはツアー3日目、シェフィールド公演を収録したCD。

実は見かけだけ、本ツアーからの公演を収録したブートレグCDはいくつか存在するのですが、それらは83年7月23日、ハマースミス・オデオン公演を収録したもの。そう、つまり公式ライブ盤「アルケミー」から数曲除いたパイレート盤なのです(On Every Bootleg参照)。

その点、こちらはオーディエンス録音ですが、正真正銘、初ブート化された音源です(以前はファンの間でトレードのみで出回っていた模様)。



【ブートについて】

Eat A Peachレーベル(旧Godfather Records)最後のダイアー・ストレイツ作品。
同レーベルが作成したダイアー・ストレイツのブートは以下のとおり。

 1. Rock Werchter (EAT 18)
 2. A Shiver In The Dark (EAT 54/55)
 3. Like A Rolling River (EAT 128/129)

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ディスクを格納する内袋。ピクチャー・ディスク仕様で、全体的に統一感のあるデザイン。

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ブックレット。内側にはツアー日程が記載されています。

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紙ジャケ裏面。


このレーベルの特徴である、秀逸なセンスで作成されたブート。
「ラヴ・オーヴァー・ゴールド」のジャケットをベースにしたデザイン。
紙ジャケットには各ディスクを入れる内袋とツアー日程を記載したブックレットが収納されています。

ボーナストラックにはツアー唯一のサウンドチェック(82年12月16日ブライトン公演)も収録しています。


【音質・ソース】

臨場感とクリアさが同居した高音質オーディエンス録音。
アルケミーのために録音された2日間を除いて、本ツアーからはコンサート全体を収録したサウンドボード録音が存在しません。

音量を上げると、テープのヒスノイズが多少目立ちますが、それはそれ。

Private Investigationsの後半にカットがあり、Sultans Of Swingが始まる直前より再び録音が開始されます。


【ツアーについて】

82年9月にリリースされたばかりの4作目のスタジオ・アルバム「ラヴ・オーヴァー・ゴールド」を引っさげて開始したワールド・ツアー。ツアーの規模は拡大し、豪州に加えて最初で最後の日本ツアーも行われました(アメリカは日程に含まれず)。

アルバム収録中、初期メンバーであるピック・ウィザーズ(dr)が脱退。交代でイギリス人ドラマー、テリー・ウィリアムズが加入。細かいニュアンスに長けていたウィザーズに代わり、よりパワフルでスピード感あふれるドラミングをでグループを支えることになります(88年に脱退)。

これによって結成時から残るメンバーはマーク・ノップラー(lead guitar)とジョン・イルズリー(bass)の2名に。

本ツアーのみ、ブライアン・アダムズとの共演歴のある、ニューヨーク出身のキーボーディスト、トミー・マンデルが参加。「アルケミー」の映像でも、かわいそうなくらいクローズアップのショットがないですが、元気にキーボードの前で跳ね回っている姿が確認できます。


【公演について】

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ブックレット内面。ツアー日程が記載されています。

ラヴ・オーヴァー・ゴールド・ツアー2日目。
初日の録音は存在しないため、同ツアーからの最も古い録音。

コンサートを全曲収録しているため(少しカットはありますが)、Industrial Disease、Twisting By The Pool、Portobello Belle等、通常のセットリストに加えられていながらも、「アルケミー」には未収録となった曲が聴けます。

また、ツアー序盤(82年の日程)では最新作「ラヴ・オーヴァー・ゴールド」から全曲を演奏しているため、この時期しか演奏されなかったIt Never Rainsが聴けるのが大きなポイント。

さらに、83年1月に発売されるEP「ExtendedancEPlay」からはTwisting By The PoolとTwo Young Loversを演奏しており、85年リリースの「ブラザーズ・イン・アームズ」で歴史に名を残すことになる以前、ダイアー・ストレイツ中期の曲を中心に構成されたコンサートとなっています。



【演奏】

セットリスト

Once Upon A Time In The West
Industrial Disease
Expresso Love
It Never Rains
Romeo And Juliet
Love Over Gold
Private Investigations (カットあり)
Sultans Of Swing
Twisting By The Pool
Two Young Lovers
Portobello Belle
Tunnel Of Love
Telegraph Road
Solid Rock
Going Home (Local Hero)



セットリストを見ると、
ファーストおよびセカンドアルバムからセットリストに残った曲はOnce Upon A Time In The West、Sultans Of Swing、Portobello Belleの3曲のみ。音楽的な変化を体現した選曲といえるでしょう。

ライブ盤「アルケミー」と同様、バンド紹介に伴い、「ローカル・ヒーロー」のサントラから、Stargazerのイントロ付きでバンドが登場します。すぐに始まるOnce Upon A Time In The Westはすでに「アルケミー」にかなり近い演奏。

最新アルバムから真っ先に登場するのはIndustrial Disease。
「アルケミー」ではOnce Upon A Time In The Westから本曲に続いていく途中でフェイドアウトしていきますが、こちらでは82年の演奏をあますところなく聞くことができます。本曲からExpresso Loveへは間髪入れずに突入。

そのExpresso Loveではノップラーのギターが不調のため、曲を演奏しながらギターを交換するハプニングが。
歌詞を一部変え、「I'm gonna play another guitar(俺は違うギターを弾く)」とギターを変えて弾き始めてからも、どこか集中できていない様子。するとFeel so good, feel so goodの辺りで「It's in tune(チューニングが合った)」と言ってからはいつもの調子に。チューニングが狂っていたようです。

伝記『マーク・ノップラー ギターマンの夢』(大栄出版)によると、It Never Rains、Love Over Goldは同じミュージシャン仲間であり、ほんの僅かな間ながら、ノップラーと恋愛関係にあったホリー・ベス・ヴィンセントについての曲。
前作「メイキング・ムーヴィーズ」収録のRomeo & Julietを含めて、彼女についての愛の3部作を構成するとか。ダイアー・ストレイツとホリーのバンド、ジ・イタリアンズの両グループをマネージメントしていたエド・ビックネルは二人の関係が破綻したため、ホリーをマネジメント出来なくなったそうです。
曲の後半には、ダイアー・ストレイツでは珍しい、ワウ・ペダルを踏みながらのギター・ソロが聴けます。



代表曲Sultans Of Swing。こちらも「アルケミー」で聴ける完成形にかなり近づいています。
後半のソロはあとちょっと構成の順番を変えれば、アルケミーと同じになりそう。

代表曲の演奏が終わったところで少し気分を変え、翌年3月に発売されるEP「ExtendedancEPlay」からTwisting By The Poolを演奏。テリー・ウィリアズムによるドラミングが始まりますが、途中で止めるノップラー。
アメリカ人の英語をモノマネするノップラーが面白い。
コンサート終盤、Tunnel Of LoveやTelegraph Roadといった大作を演奏する前に、息抜きのために軽快なノリの曲を挟んでおく構成でしょうか。

ロックの伝説、チャック・ベリー(R.I.P. 1926-2017)からのインスピレーションを受けた曲として紹介されるTwo Young Lovers。キーボードによる物静かなイントロで始まると思いきや、突如ドラムが炸裂して曲に突入。「アルケミー」ではサックスにメル・コリンズが参加していますが、本バージョンでは不参加の代わりにキーボード(トミー・マンデル?)とギター(ハル・リンデス?)が盛り上げています。

80年〜81年のオン・ロケーション・ツアーから続き、セットリストにポジションをキープしているPortobello Belle。
こちらは前年のエレキギターを使った演奏から、曲の前半はアコースティックに切り替え、より落ち着きのある演奏としています。曲の後半はゆるやかなインストゥルメンタルとなり、バンド紹介を経てTunnel Of Loveに繋がっていく構成。



Tunnel Of Love、Telegraph Roadといった大作、そしてアンコールの定番となったSolid Rockを経て、コンサートの締めくくりにGoing Home (Local Hero)が登場。以後、ダイアー・ストレイツのコンサートの最後はこの曲が担うことに。ニューカッスル出身のノップラーにちなんでなのか、同曲はイギリスのサッカー、プレミアリーグのチーム「ニューカッスル・ユナイテッドFC」の入場曲にもなっています。




【ボーナス・トラック】

Twisting By The Pool
Once Upon A Time In The West (middle solo)
Sound Test
Tunnel Of Love (final solo)
Sound Test
Romeo And Juliet (instrumental)
Sound Test

ディスク2の後半には1982年12月16日、ブライトン公演のサウンドチェックを収録。
本ツアーから流出している唯一のサウンドチェックなので、貴重な音源ですが、
個人的にはそこまで興味なし。
ヒスノイズも多めで、サウンドボード音源ですが、若干演奏との距離を感じる音質だったりします。
ボーナストラックとして収録するには丁度よい長さだったのでしょう。


【その他・考察】

前作「メイキング・ムーヴィーズ」の成功を受け、音楽的活動の幅を広げたノップラーは映画のサントラ、他アーティストへの楽曲提供、アルバムへの参加等で多忙な日々を過ごします。

「ラヴ・オーヴァー・ゴールド」のレコーディング中に作成されながらも、女性ボーカルでないと発表できないとのノップラーの意向によりお蔵入りとなった「プライベート・ダンサー」はティナ・ターナーへ提供され、彼女の大ヒットとなったアルバムのタイトル曲となります。

また、4作目のレコーディング後に映画「ローカル・ヒーロー」の話が舞い込んで来たのは、まさに上述した「メイキング・ムーヴィーズ」の成功による影響で、プロデューサーのデヴィッド・パットナムの息子がダイアー・ストレイツの熱烈なファンで、父親もTunnel Of Loveを聴いたことがノップラーの起用に繋がったとのこと。

さらにツアー途中、ノップラーは1983年4〜5月の間、ボブ・ディランの起死回生となったアルバム「インフィデル」へ参加します(ディラン作品への参加はSlow Train Comingに続いて2度目)。

ツアーが終わった翌年、84年には次の映画音楽の仕事(Cal)でアイルランドの大物シンガーソングライター、ポール・ブレイディと共演します(ライブ感想はこちら)。ここにはブレイディとダイアー・ストレイツの当時のメンバー(イルズリー、ウィリアムズ)に加え、次のツアーからバンドメンバーとして参加するガイ・フレッチャーも参加していました。さらに、同年録音された映画「Comfort And Joy」用の同名サントラにはフレッチャーに加え、サックスのクリス・ホワイトも名を連ねています(二人ともダイアー・ストレイツの次回作「ブラザーズ・イン・アームズ」からバンドメンバーとして参加)。
また、ウィリアムズは前年の「アルケミー」の録音で締めくくったダイアー・ストレイツのツアー終了後、ポール・ブレイディのツアーに参加しています。そのバンドには後にダイアー・ストレイツ最後のスタジオアルバム「オン・エヴリー・ストリート」とそのサポートツアーに参加するギタリスト、フィル・パーマーが参加していました。パーマーはエリック・クラプトンの90〜91年ツアーへも参加していますし、後にクラプトンとノップラーが様々な機会で共演することを考えると、意図したかは不明なものの、この時期はノップラーが、一緒に仕事をする中で今後バンドに加わるメンバーを募集したり、後に有益となる多くのミュージシャン達との繋がりを持っていく時期だったのだと思います。


【まとめ】

Eat A Peach最後のダイアー・ストレイツ作品でしたが、良いものでした。
同レーベル名で出した作品はどれも意義あるもの。古くから知られた公演から、未だブートとしてリリースされていない公演を、それも高音質でリリースしてくれたレーベルに感謝。
思えば、バンドが解散してからほとんどブートレグの制作が途絶えたため、トレード等で出回っている音源と、リリースされているブートの間に大きな乖離が生まれているこの状況は、ブートレガーにとってはある意味金脈。
今や日本では無名のバンドですので、日本のレーベルからのリリースは願うだけ無駄。そこはやはり、海外、それもヨーロッパのブートレガー達の手にかかっているのでしょう。前回の投稿でバンドのイタリアでの人気に触れましたが、同国のGodfather Recordsとその系譜に連なる本レーベルがダイアー・ストレイツのブートをリリースするのも必然といえるのではないでしょうか。

現在は名前を変え、Golden Eggsとして活動を続けているEat A Peachレーベル。
ダイアー・ストレイツのブートは変わらずリリースし続けているみたいなので、今後も楽しみです。
つい先日も、最新のリリース情報として、80年ツアー前半からオーディエンス録音ものの作品が発表されたばかり。
相変わらず目のつけどころが良い。


【参考文献】

・「On Every Bootleg」
ダイアー・ストレイツのブートレグ情報サイト。
http://www.oneverybootleg.nl/

・「マーク・ノップラー/ギターマンの夢」
マイルス・パーマー著、山本安見訳
大栄出版、1993年8月22日初版第一刷発行





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