FC2ブログ














スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[--/--/-- --:--] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)
[タグ未指定]

Dire Straits/The Best Rock 'n' Roll Orchestra/1981年6月29日ミラノ公演 



CIMG5372.jpg


イタリアでの熱い夜

2018年4月14日にロックの殿堂入りを果たしたダイアー・ストレイツを祝って投稿します。

サードアルバム「メイキング・ムーヴィーズ」に伴い行われた、
オン・ロケーション・ワールド・ツアーから、コンサート全貌をオーディエンス録音で収録した唯一のブートレグ。

レーベルのstonehengeはイタリアのブートレグレーベル。
収録しているライブもイタリアのミラノで開催されたもの。

つまりこれはイタリアのための、イタリアによるブートレグなのだ。



【ブートについて】

CIMG5373.jpg

CIMG5374.jpg

CIMG5375.jpg

CIMG5376.jpg

Stonehengeレーベル製。

センスあるのかないのかよくわからないジャケット(いや、ないでしょ)。
テーブルクロスみたい。
たまらん。

ブートのタイトル"The Best Rock 'n' Roll Orchestra"は、この時期頻繁にノップラーがコンサート中に言っていた、「ダイアー・ストレイツ・ロックンロール・オーケストラへようこそ!」というコメントから。
キーボードの追加により、厚みを増したサウンドへの言及だと思われます。

こちらのブート、生産のロットが異なるのか、VersionAとBが存在します(ディスクの色違い)。両バージョンの写真はOn Every Bootleg参照(参考文献にリンク)。

冴えないデザインのブートですが、しっかりブックレットが封入されており、ライナーまで記載されています(イタリア語と英語で併記)。単純に考えて、紙の量が倍になって印刷代が大変なことになる気がしますが、そこはブートなのであまり突っ込まずにおきます(笑)。

レアなナンバーとして、制作を開始前の「ラヴ・オーヴァー・ゴールド」からのナンバー、
Telegraph Roadをボーナストラックとして収録しています(27日のサンレモ公演より)。


【録音・音質】

全曲カット無しで収録していますが、
Angel of Mercyの途中に3秒程度、音が遠くなるタイミングがあります(01:52〜01:55辺り)。

音質はというと、オーディエンス録音ですが、ほとんどの間、安定していて聞きやすいです。
もっと良い音質の録音は同ツアーの中でも存在しますが、こちらも充分、高音質といえると思います。

特にギターの音が大きく捉えられており、
当時のロック色をより強く押し出した方向性にマッチしていると感じます。

会場のVigorelliは屋外スタジアムのため、低音域が多少弱いですが、マイクへの風の影響も感じさせない好録音。

周りのノリノリの観客に囲まれている雰囲気が、良い感じ。
バンドのイタリアにおける人気ぶりが伺えます。


【ツアー・公演について】

オン・ロケーション・ワールド・ツアーは1980年10月、アメリカでの日程から始まり、本国イギリスを経由して春には豪州をはさみ、夏にかけてヨーロッパを回る大規模なツアーに。

バンドは音楽性とメンバー構成に大きな転換点を迎えており、3作目のスタジオ・アルバム「メイキング・ムーヴィーズ」の収録中、初期メンバーであるデヴィッド・ノップラー(リズム・ギター)が脱退。交代で若きギタリスト、ハル・リンデスが加入。
 
また、アルバムに取り入れた重厚なサウンドをライブで再現するために、マーク・ノップラーと同郷のアラン・クラークがキーボードで参加(その後、バンドの解散までダイアー・ストレイツのキーボードを担当)。

ライナーを読むと、イタリアでのストレイツの人気ぶりが伝わってくるので、記載しておきます。

以下、ライナーより抜粋(翻訳)

〜新生ダイアー・ストレイツのツアーへの世間の注目度は高かった。
4月までにはスタジオでの仕事に戻りたいというマークの希望をよそに、「メイキング・ムーヴィーズ」の売り上げの好調と、ファンの声によってツアーの数週間の延長が決定。
イタリアでの公演は6月の最終週から7月の頭にかけて調整された。たった5日間の公演で25万人以上の観客を動員した。トリノのスタディオ・コムナーレには8万5000人以上のファンが押し寄せ、大盛り上がりだった。
しかし、最もエキサイティングな夜は間違いなく、ミラノ公演だった。会場のヴィゴレッリは午後になるや否や、ファンにより埋めつくされ、会場入りするためにバンドはトンネルや救急車の中をくぐってくる必要があった。マークは偽の口ひげに赤い野球帽で変装し、ステージにたどり着いた。
コンサート開始直前、会場に入れず、外に集まっていたファン達が開催者を説得し(公共の秩序のため)、ゲートを開放することに成功する。バンド側は何も知らされないまま。。。
本CDはこの公演、何千何万人のイタリアのファンが、当時最も有名だったバンドを迎えた特別な夜を収録している。エンニオ・モリコーネの「続・夕日のガンマン」のテーマをバックに登場したバンドを、MCが次の言葉で紹介した。
「皆さんこんばんは。ヴィゴレッリへようこそ!最高のロックンロール・オーケストラへの準備はいいですか?ダイアー・ストレイツへの準備はいいですか?」


ええ、もちろんですとも。


【公演・演奏】

セットリスト:

Once Upon A Time In The West
Expresso Love
Down To The Waterline
Lions
Skateaway
Romeo And Juliet
News
Sultans Of Swing
Portobello Belle
Angel Of Mercy
Tunnel Of Love (Intro: Carousel Waltz)
Where Do You Think You're Going?
Solid Rock



ツアー終盤、イタリア・レグ3公演目。
サウンドボード音源と映像で有名な、ウェルヒター・フェスティバルの数日前。

同ツアーからはパリ公演、ルクセンブルク公演(ウェルヒター・フェスティバル)のプロショット映像の存在が確認されていますが、演奏時のノップラーの動きを見ると、この時期が一番楽しそう。

Down To The Waterlineは昨年までの演奏と比べてよりスピードアップした印象。
曲の終了とともに、鐘の音が鳴り響いてLionsに繋がっていく演奏はこのツアー独自のもので、ロックンロール・オーケストラ感に一役買っている気がします。

「これはリッケンバッカーってやつだよ」とジョンレノンの愛したギターを紹介するノップラー。
アルバムだとギターとピアノによるシンプルで心洗われる演奏のPortobello Belleは、前年まではおおむねアルバム通りの演奏だったものの、本ツアーのバージョンはやはりキーボードの追加によって印象が変化しています。ギターによる遊び心も増していますね。最後にギターソロが爆発する様は前年とは全然違う。この曲からAngel Of Mercy〜Tunnel Of Loveに繋がっていくのがコンサート終盤の大メドレー。

大作の演奏が終わってから始まる、個人的にメランコリー加減と後半のギターソロが合わさって大好きなWhere Do You Think You're Goingは、キーボードが良く合う曲だと思います。



イタリアにおけるダイアー・ストレイツの人気は凄まじいものがあり(トリノではスタジアム一杯の約9万人が集まったらしい)、バンド公式の伝記「Dire Straits」によると、「メイキング・ムーヴィーズ」の販売数はイタリアでの60万枚がアメリカの50万枚を上回っており(アメリカ市場においてはヒットシングルなしだったので、アメリカでの50万枚はこれですごいのですが)、シングルカットされたTunnel Of Loveが特に人気だったそうです。

27日サンレモ公演からのボーナストラック、Telegraph Roadは当時は未発表曲ですが、本ツアーから顔を見せ始めています。ツアー後、映画のサントラ制作の仕事を求めたノップラーは、映画制作の延期に伴いバンドを招集します。次作「ラヴ・オーヴァー・ゴールド」は1982年の3月から6月にかけて録音が完了し、その直後よりノップラーは映画「ローカル・ヒーロー」の仕事に取りかかります。
スタジオ版、ライブ版(アルケミー)ではナショナル・スチール・ギターとピアノによる美しい旋律に導かれて曲が始まりますが、こちらでは曲の途中で登場する旋律にアレンジを施したものをアラン・クラークが弾く中、ノップラーによる新曲紹介を持って曲が開始します。




【考察・まとめ】

バンドのマネージャー、エド・ビックネルはこのアルバムとツアーの成功によって、「コミュニケ」の商業的失敗からバンドに勢いを取り戻すことができたと感じていたそう。

「正直、初期メンバーであそこまで行けたのは奇跡としがいいようがない」

ツアー終了後、映画音楽を手がけたいノップラーのため、ビックネルはイギリスの映画関係者に「メイキング・ムーヴィーズ」を送付し、バンドの活躍に注目を集めるとともに、ノップラーが映画音楽に興味を持っていることを広めます。
サードアルバムのプロデュースを通じて、今までで最も出したい音に近づけることができた、と手応えを感じていたノップラーは、本ツアーの成功によって映画音楽に携わる機会を手にし、またプロデューサーや楽曲提供者として、他の著名アーティストとの競演していくことで、より音楽業界内での存在感を増していきます。

その傍ら、バンド内でのドラムの重要性が薄れていると感じ、家族と離れて暮らす生活に不満を抱くようになった、バンド結成当初からのドラマー、ピック・ウィザーズは次作「ラヴ・オーヴァー・ゴールド」の収録を終えたタイミングでバンドを脱退。

「僕たち二人は成功を楽しめるんだ」と、マーク・ノップラーを除いてバンド結成時から残る唯一のメンバーとなった、ジョン・イルズリーは成功することについて言葉を残しています。

「お金のことじゃなくて、成功というものの概念をだ。これに耐えられなければ、抜けるしかない。デヴィッドとピックはそうした。オリジナル・メンバーから残ったのは僕とマークの二人だけになってしまったが、これは偶然ではないんだ」

バンドにとって大きな転機となった時期。
本ブートはパブでの演奏を脱し、スタジアムでの演奏に耐えうるバンドへと変化を遂げていったバンドの過渡期を捉えた、重要なドキュメントといえるでしょう。

サウンドボード音源が充実しているバンドの、あえてのオーディエンス録音のブートだし、初心者にオススメできるものではないかもしれませんが、色々な発見があります。

世界のバンドとなったダイアー・ストレイツですが、当時特に人気が高かったイタリアでのライブを、同国のブートレグレーベルが制作し、世に出した功績をたたえたい。


【参考文献】

・「On Every Bootleg」
ダイアー・ストレイツのブートレグ情報サイト。
http://www.oneverybootleg.nl/

・「マーク・ノップラー/ギターマンの夢」
マイルス・パーマー著、山本安見訳
大栄出版、1993年8月22日初版第一刷発行





関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://bootblueszepp.blog.fc2.com/tb.php/89-bafc5567


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。